先行きが不透明な時代において、子どもたちには自ら未来を切り拓いていく力が求められます。こうした力を身につけるためには幼少期の過ごし方が重要となりますが、思うように子どものために時間をつくれていないというご家庭もあるのではないでしょうか。今回紹介する「i Kids Star メガロス町田」は、こうした課題を解決するための設備やカリキュラム、体制を整えているバイリンガル幼児園です。同施設の立ち上げに携わった野村不動産株式会社の寺井さん、野村不動産ライフ&スポーツ株式会社の長岡さんの両名に話を聞きました。
「i Kids Star メガロス町田」は野村不動産ライフ&スポーツとやる気スイッチグループとの協業によって、2024年4月に誕生しました。野村不動産ライフ&スポーツが運営するスポーツクラブ「メガロス」の施設内に、やる気スイッチグループのバイリンガル幼児園「i Kids Star」が入り、両社が持つ設備やノウハウなどのメリットを融合することで、未来を担う子どもたちに新しい学びの機会を届けています。
「新型コロナウイルス感染拡大時、フィットネス業界は外出自粛により打撃を受けましたが、こうした厳しい状況下でも『メガロス』のキッズスクールは好調で需要の高まりを認識しました。そこで、コロナ禍にスタートした学童や、スイミングスクール等の既存のキッズ事業のノウハウを活かしながら、新しいビジネスをつくっていこうという機運が高まっていったんです」
そこで生まれたアイデアが、学童と組み合わせることで共働き世帯をより幅広くサポートでき、社会貢献性も高い幼児園の運営だったと寺井さんは教えてくれました。しかし既存の事業とは異なり、幼児園の運営は小さい子どもを長い時間預かるため、保育士の雇用をはじめとした体制整備が不可欠であり、また幼児教育の知見もなかったと振り返ります。そんな折にやる気スイッチグループとの協業の話が持ち上がり、メガロスの中に幼児園をつくることが決まりました。
保育園でも幼稚園でもなく「幼児園」という呼び方を使っているのは、双方のメリットを取り入れているからだと寺井さんは言います。
「一般的な保育園は教育よりも保育に重きを置いており、子どもを預かる時間が概ね8〜11時間と長いのが特徴です。一方の幼稚園は短い時間で終わってしまいますが、教育という観点から子どもの成長をサポートしています。『i
Kids Star
メガロス町田』の『幼児園』は子どもをお預かりする時間が長く、その時間の中で必要な教育をお届けするためのカリキュラムもしっかりと組んでいる、言わば両方の『いいとこ取り』なんです」
カリキュラムについては、決して窮屈なスケジュールではなく、遊び時間もしっかりと確保してメリハリのある時間を過ごせるように配慮していると言います。
「i Kids Star メガロス町田」の幼児園は「知育」「運動」「英語教育」の3 つを軸とし、教育方針に「文武両道」を掲げています。文武両道を実現するための具体的な設備やカリキュラムについて、長岡さんは「スポーツカリキュラムはやる気スイッチグループも持っていますが、今回メガロスの中に幼児園をつくったことで、プールやフットサルコート、体操スペースなどを就園中に活用することができます。これらは会員制スポーツクラブというセキュリティ性の高い建物内にあり、また都心部の保育園や幼稚園と異なり十分な広さもあるため、子どもたちは安全な環境でのびのびと活動に取り組むことができます」と話します。
また、メガロスが運営する、子どもの運動センスをつくることを目的とした体育スクール「メガロスミライク」発の独自プログラムの導入やスイミングスクールなども実施しており、それが保護者から好評を得ていると言います。
「子どもたちは就園中にスイミングや体育などに取り組むことができるため、別の場所で同様の習い事に通わせる必要がなくなり、それらの送迎にかける時間も不要となります。その結果、子どもと過ごす時間を確保できるようになるというのが好評の理由です」
設備やカリキュラムだけではなく、子どもたちとのコミュニケーションにおいても大切にしていることがあると言います。
「子どもたちと接するうえで『1対1』という視点で向き合うことを大切にしています。保育士は一度にたくさんの子どもと接するため『1対多数』として捉えてしまいがちですが、子どもの立場から見ると保育士は1人しかいません。だからこそ、『1対1』の目線に立つことが大切だと考え、必ずすべての子どもとコミュニケーションを取ることや、平等に時間を使うことを心がけています。また、子どもたちを『褒める』ことはもちろんですが、ただ褒めるよりも『すごい』『どうやったの?』と『驚く』ことをとても大切にしています。驚くことは子どもたちにその後の発言や行動を促すことにつながり、積極性も強まると考えているからです。これらのコミュニケーションを通じて子どもたち本来の姿を引き出すことで、この場所を『第二の我が家』のように感じてもらえると嬉しいですね」
幼児期からスポーツに取り組むことには大きなメリットがあると長岡さんは言います。
「子どもの運動能力が一番上がる9〜12歳までの時期は『ゴールデンエイジ』と呼ばれていますが、その前段階として『プレゴールデンエイジ』という時期が存在します。ゴールデンエイジをより輝かせるために必要とされていて、この時期の過ごし方によって、子どもの脳にとても良い刺激を与えることができるんです。たとえば、たくさんの運動を経験させることで、将来的にどのスポーツも上手になり、一つのスポーツに絞った場合でも上達が期待できると言われています。加えて、できることが増えると自信がつき、発言量や行動も増えるため、子どもが持つ力を引き出すことにもつながると考えています」
また、就園中の生活においても、運動を取り入れることのメリットは大きいと続けます。
「子どもたちは体を動かすことが大好きなので、ある程度運動させて発散させてからのほうが、座ることや勉強に集中できるようになります。幼少期の頃からメリハリのある生活を送ることで、集中力を養うことにもつながるんです」
寺井さんは、スポーツに取り組むことは社会生活に必要な能力の習得につながることを教えてくれました。
「人間には『認知能力』と『非認知能力』という2つの能力があります。認知能力は学業の成績にあたる部分、非認知能力は主体性やコミュニケーション能力など、社会活動で必要な能力とされていますが、この非認知能力を伸ばすことのできるのがスポーツと言われています。プレゴールデンエイジのタイミングからスポーツに取り組むことは、将来社会に出て活躍するために必要な能力の習得につながるため、大きな財産になると考えています」
開園してまだ日が浅い「i Kids Star
メガロス町田」ですが、現時点での評価や手応えについて長岡さんは「『子どもが徐々に英語を話せるようになってきている』という感動の声や『正確にカリキュラムをこなすことで生活リズムが整ってきた』という感想をいただいています。また、開園したての頃は保護者と離れたくない一心から子どもたちが泣く日もありましたが、一週間も過ぎると大半の子どもが泣かなくなっていましたし、自分で靴を履いたり片付けたりする様子も見られたので、子どもたちの自立スピードには驚かされるばかりです」と話します。
最後に、今後のビジョンについてお二人に聞きました。寺井さんは「i Kids Starメガロス町田」のことから、さらに地域に合わせたメガロスの展開という展望を語ってくれました。
「メガロスにはスイミング以外にもテニスやダンスなど、多様なスポーツコンテンツがあるので、保護者のニーズを聞きながらそれらの導入も検討していきたいと考えています。また、『i Kids Star
メガロス町田』の運営を通じて得た知見やノウハウを活かして、地域ごとのニーズに合わせたメガロスを展開していきたいです」
寺井さんの話に同意しながら、長岡さんはメガロスのキッズ事業の構想を話ししてくれました。
「野村不動産ライフ&スポーツは、今後スポーツだけではなく『ライフ』にフォーカスを当てた事業展開をしていきたいと考えています。その中でキッズに向けた取り組みとしては、学習塾やファミリーで過ごせる場所づくりなどに取り組んでいきたいです」
「i Kids Star メガロス町田」の開園を機に、幼児園のさらなる展開や新たなキッズ事業の構想を実現することで、未来を担う子どもたちの健やかな成長をサポートしていきます。
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