LIFESTYLE学童の機能を持ち、習い事もできる場
「メガロスキッズアフタースクール」
October 10, 2023

共働き家庭が増えて、学童保育のニーズが高まっています。また平日に習い事の送迎をするのが厳しい共働き家庭では、結果的に土日に習い事をすることになり、貴重な週末も忙しくなってしまうという声もありました。このような社会的背景を踏まえて、2021年に開校したのが「メガロスキッズアフタースクール」。送迎サービスや、教育機関と開発した多様なカリキュラムなどが評価され、「2022 年度グッドデザイン賞」も受賞しています。今回のコラムでは、野村不動産ライフ&スポーツ株式会社の長岡小夜子さんに、本プロジェクトを始動させた経緯や独自の取り組み、今後の展望などについてお話を伺いました。

長岡小夜子Nagaoka Sayoko
野村不動産ライフ&スポーツ株式会社、事業推進部副部長
水泳インストラクターを経て2017年に本社へ移動。以降当社の自社スクールであるミライクの開発、アフタースクール事業の立ち上げ、当社のスイミング・テニス等全キッズ・成人スクールを管理する部署にて勤務。近年はスポーツ幼児園の立ち上げに携わる

産学連携による、家族と地域をつなぐ
教育プラットフォーム。

共働き家庭が増えて、多くの小学生が放課後に学童へ通っています。ただ学童は身体を動かすには十分な広さがなかったり、遊べる内容が限られていたりといった現状もあります。また学童で過ごしている時間は基本的に習い事はできないため、ゆっくりしたい週末を習い事で埋めることになります。そもそも学童に入れない待機児童もいます。そこで長岡さんが考えたのが、自社のノウハウでこの課題に働きかけられるのではないかということでした。平日の放課後を「スポーツ×教育」の環境下で小学生に過ごしてもらいたい。社内に企画を提案してから約1年後の2021年4月、第1号となる「メガロスキッズアフタースクール」が武蔵小金井に開校することになりました。

また、水泳のインストラクターとしてキャリアを持ち、子どもと関わる場面が多くあった長岡さんは、以前から教育面のスキルも強化したいという思いを持っていました。そこで別プロジェクトを立ち上げる際に、教育の分野で著名な東京学芸大学の学長にアポイントを取り、2019年からは産学連携による共同研究をスタート。スポーツを通じた独自の教育プログラムの開発を進めてきました。「メガロスキッズアフタースクール」にも、遊びを発明するというカリキュラムなどが導入されています。

「先日は、ペットボトルだけでどんな遊びができるか、発明大会をしました。大人はいくつかの案を出すと行き詰まってしまったりするんですけど、子どもたちの想像力は無限です。ボウリングやマラカス、船など、思いもよらないアイデアがいくつも出てきました。それらを店舗ごとにシェアしたところ、さらに発想が膨らんで有意義な試みとなりました」。

デジタルネイティブ世代はオンラインで文面を作ることには慣れていても、実際の会話では臆してしまうことも多いそう。「メガロスキッズアフタースクール」のカリキュラムは、自分の言葉で自分の想いを伝える力を大切にしているのも特徴です。

各種スポーツからマインドフルネス瞑想まで、
子ども用にアレンジした多彩なカリキュラム。

スポーツクラブの中に開校しているため、スイミングやテニスをはじめ、チアリーディング、バレエ、新体操、空手、バランストランポリンといったものまで、運動系の習い事はとても充実しています。またすべてのスタッフは放課後児童支援員の資格を取得しており、バレエのクラスに出るお子さまの髪をアップにしたり、空手のクラスに出るお子さまの胴着の着替えを手伝ったりといった丁寧なサポートも。好きな習い事を安心して楽しんでもらえる体制を整えました。

「身体が硬いと怪我をしやすいので、柔軟は必ず取り入れていますね。姿勢をよくすることもポイントにしています。運動会シーズンには走り方を教えたりもします。スタートの仕方や腕の振り方が少し変わるだけでもタイムに影響しますし、やっぱり何でも上達するのは楽しいですよね。といってもストイックに結果を追求するというよりは、純粋に運動を楽しめる子どもが増えてほしいという気持ちです」。

学習系の習い事ではネイティブによる英会話、書道やプログラミング、計算力を高める「そろタッチ」なども人気があるそうです。

京都「両足院」の副住職、伊藤東凌さんが監修する子ども向けのマインドフルネス瞑想を取り入れたプログラムも注目されています。
「伊藤さんいわく、瞑想は子どもにもいいそうなんです。ただ瞑想は最後の1分だけ。五感を使って、新しい感覚を覚え、色々な角度から物事を見ることの楽しさを学ぶのがメインです。例えばドライフルーツを1分間、ひたすら噛み続けたりするんですね。共働きのご家庭は時間に追われがちですし、つい『早く食べなさい』なんて言ってしまうんですけど、この時間はじっくりとモノの味に集中してみる。そうすると口の中で溶けていく変化の様子とか、海みたいな味がしたとか、さまざまな感想が出ます。感じたことをディスカッションしたり、絵に落とし込むこともあります」。

「子どもたちは聴覚に集中するのが大好きですね。この間はキャンプ場で録音した音を1分間、耳を澄ませて聴いて何の音が聴こえたかを教えてもらいました。川、砂、風、鳥…その子が聴こえたと思ったものは、すベて正解。感性の豊かな時期に、集中を研ぎ澄ます体験を重ねることで、情緒も豊かに育っていくのではないでしょうか」。

自分の居場所だと思える、第二の我が家を目指したい。

送迎サービスも喜ばれているそう。共働き家庭にとって送迎は負担なので、お手伝いできるのはうれしいと長岡さんは話しました。

「20時30分まで営業しているので、お子さまが習い事をして夕飯サービスを利用している間に、仕事帰りの保護者はジムで運動して、お風呂やサウナに入って…と同時進行できるのも高評価です。親子それぞれが充実した時間を過ごしつつ、一緒に帰宅する。忙しい子育て中だからこそ、ほんの数時間でも自分の時間が持てると、かなりリフレッシュできるのではないでしょうか」。

「メガロスキッズアフタースクール」は指導の場ではなくて、生活の場であると長岡さんは強調しました。

「インストラクターという職業柄、何かを教えることが多いのですが、ここは生活の場。第二の我が家のように思ってもらいたいので、体験にいらしたお子さんも含めて、必ずすべてのお子さんを下の名前で呼ぶことは徹底しています。学校のように時間割が決まっているわけでもないので、やりたいことをやっていいし、やりたくないことは無理にやらなくてもいい。和やかな雰囲気の中で、思い思いに過ごしてもらえたら」

メガロスキッズアフタースクールの1日は、基本的にこのような流れになっています。

地域への貢献はもちろん、
社員も喜びと誇りを持って働ける場に。

地域連携を活かした街の教育プラットフォームとしての機能や、教育機関との連携によるカリキュラムが評価され、「メガロスキッズアフタースクール」は「2022 年度グッドデザイン賞」を受賞しました。

「例えばおやつは名古屋学芸大学が監修しているんですけど、近所の美味しいパン屋さんや和菓子屋さんなどから購入して、地元地域のお店を活性化することも意識しています。あとは公募でボランティアを募って、元気なアクティブシニアのみなさんに書道や将棋を教えてもらうということもしています。単なる学童の代替ではなく、子どもも保護者もシニアもお店も含めて、地域全体がハッピーになるような大きな絵を描いているイメージですね」。

地域から愛されることはもちろん、社員が喜びと誇りを持って働けることも長岡さんのこだわりです。
「弊社はスポーツジムとしては社員が多いんです。それもあってフットワーク軽く外に出かけていけるんですね。夏は幼稚園や保育園、小学校に行って水泳教室も開催します。その場に出向く人材は会社の代表になるので、(いいコーチだったなぁ!)と思ってもらえるように日々全力で頑張っています。また社内には時短勤務制度を利用している子育て真っ只中の社員もたくさんいますが、彼らの集中力はほんとうにすごい。限られた時間をフル活用した素晴らしいパフォーマンスを発揮してくれます。子どもに関わるプロジェクトを手がけているからには、社内のパパママたちが夢をもって働ける会社であることも大事にしたいです」。

メガロスキッズアフタースクール」は2021年の武蔵小金井に始まり、2022年は名古屋エリア初の千種、そして2023年には13店舗、2024年にも開校予定の店舗があり、約1,500 人の児童に対応できるように。新たな街の教育プラットフォームとして一層の貢献を目指します。

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