「ぐっすり眠った気がしない」、「朝にすっきり起きられない」などの睡眠の悩みには、寝室の空気環境が大きく影響していると言われています。寝室の空気は他の部屋に比べて汚れやすくなっています。毎日を健康的に暮らすための寝室の空気環境の整え方をご紹介しましょう。
寝室の空気は汚れやすくなっています。
人が健康に暮らすための室内環境の基準では、二酸化炭素の濃度は1,000ppm以下が推奨されています。しかし締め切った寝室では、眠っている間の呼気で二酸化炭素の濃度が急上昇。換気をしないままでいると4,000ppm以上にも達することがあることが分かっています。(※)
二酸化炭素の濃度が高くなると睡眠の質が悪化し、朝にすっきり目覚められない、疲れやすくなる、集中力が低下するなどの問題が起きやすくなります。
更にベッドの周辺は、布団から出る綿ぼこりやダニなどハウスダストが多い場所。吸い込んでしまうとアレルギーの原因になる可能性があります。
空気は目に見えないので、つい疎かになりがちですが、毎日を健康的に暮らすためには、寝室の空気環境を意識して整えていくことが欠かせないこととなっているのです。
(※寝室のベッド枕元に二酸化炭素計を設置しCO2濃度を測定。第一種換気扇(給気、排気ともに機械換気)を設置した戸建住宅の寝室で、大人2人子ども1人が就寝した場合。2021年9月実施/三菱電機調べ)https://kyodonewsprwire.jp/release/202203158613
朝起きた時に窓を開け放つと気持ちがいいと感じるのは、夜の間に汚れた空気が一気に入れ替わってリフレッシュするから。快適に、そして健康的に暮らす続けるためには、いつも新鮮な空気環境であるよう気を配る必要があります。
そのための設備が、「24時間換気システム」と呼ばれる室内の空気を入れ替える換気装置です。これは2003年の建築基準法の改正により、すべての住宅に設置が義務付けられたもので、1時間で部屋の半分の空気が入れ替わるように設計されています。
これを止めてしまうと、室内の空気が汚れてしまいます。台風などの強風時に一時的に止める場合もありますが、ふだんはスイッチを入れたままにしておきましょう。
24時間換気システムでは、各部屋に空気の取り入れ口となる「給気口」が設置され、浴室などからまとめて排気をするタイプが多くなっています。
室内ドアの下端にスキマがあいている場合は、そこを空気の通り道にしていますので、パッキンなどで塞ぐと換気ができなくなるので注意を。
特に寝室では、ドアのスキマだけでは不十分なことが多いので、ドアを開けておいたり、サーキュレーターを使って部屋の空気を入れ替えたりすることで、空気を清浄に保ちやすくなります。
防音のためにドアを完全に密閉したい場合は、寝室内で給排気ができるシステムを検討するといいでしょう。
寝室では、布団から出る綿ぼこり、髪の毛やふけ、ダニなどのハウスダスト対策も欠かせません。
床は空気中にほこりを舞い上げないよう、シートなどを使ってていねいにお掃除を。また定期的に布団乾燥機を使って、ダニ退治をするのもおすすめです。その際は最後に布団クリーナーをていねいに掛けることで、清潔を保ちやすくなります。
空気清浄機を取り入れるのもいいでしょう。空気中に漂った花粉やチリ、カビなどの他に、浮遊する菌やウイルスを除去する機能を持つ機種もあります。
目に見えない小さなハウスダストもしっかり対策。寝室の空気をきれいに保って毎日を健康的に過ごしましょう。
室内の空気を清浄に保つために大切な役割を果たしているのが、換気システムのフィルターです。給気口と排気口のどちらにも、空気中の汚れを取り除くフィルターがついています。
このフィルターの存在はつい忘れがちで、汚れたまま放置していたり、中にはフィルターそのものを入れ忘れていたりするケースも。
フィルターが汚れていると換気機能が落ち、入っていなければ屋外に浮遊している花粉や粉塵、砂ぼこりなどがそのまま家の中に入り込んできます。
各部屋についている給気口や排気のための換気扇のフィルターは2~3か月に1度はチェック。取扱説明書を確認し、汚れていたら交換やお掃除をしましょう。もちろん空気清浄機のフィルターのチェックも忘れずに。
寝室は人生の3分の1を過ごす部屋です。きれいな空気環境の中でぐっすり眠って、毎日を生き生きとお過ごしくださいね。
※掲載の情報は、2024年7月現在の情報です。