SDGsやサステナブルという言葉が浸透し10年ほど経ちますが、なんとなく敷居が高い、難しいものと感じている人もいらっしゃることでしょう。
しかし、これらは私たちの身近な暮らしの中にあるもの。誰もが取り組める小さな行動で、世界の未来に大きな変化を生み出していくことができます。
SDGs(持続可能な開発目標)とは、貧困、教育、環境保護など、世界中の人々が抱える問題を解決するために、国連が2015年に採択した17の目標のこと。
貧困、飢餓、健康、福祉、教育、ジェンダー平等、安全、エネルギー、クリーン、経済成長、不平等、まちづくり、気候変動、海や陸の豊かさ、平和などの課題に取り組むものです。
サステナブル(サステナビリティ/持続可能性)とは、人々がこの先を幸せに暮らすために、地球や資源、環境を大切にしながら、社会と経済をバランスよく発展させることを目指しています。
SDGsもサステナブルも日常生活の中にあります。
こまめに電気を消して省エネにする、過剰包装を避ける、地元で生産された食品を選ぶ、車を降りてなるべく歩く、バランスの取れた食事を心がける、そしてSDGsやサステナブルに関する知識を得ることも、幸せな未来への一歩になるのです。
インテリアを考える際も、SDGsやサステナブルについて少し思いを馳せるだけで、快適に暮らしつつ、地球の未来に貢献ができます。
例えば、こちらはサンゲツの遮熱カーテン。室内の暑さの大きな原因となっている日射熱を遮る機能を持っているので、夏を快適に暮らしながら節電ができます。加えて「ケミカルリサイクルマーク」付きなので不要になったら回収してもらうことができ、素材別に再資源化が行われます。
カーテン選びでもほんの少し意識をするだけで、暮らしを快適にしながら、地球の未来も変えていくことができるのです。
家具にも環境に配慮した素材を使用した製品があります。
こちらは、イタリアの高級家具ブランド、カッシーナのセングウソファ。Cassina R&D センターとミラノ工科大学デザインスクール Poli.design によるコラボ「Cassina LAB」による研究のもと、環境に配慮した100%再生繊維がクッションに組み込まれています。
カッシーナが考えるサステナブルは、「最高のデザインとは本質的にサステナブルなものである」というもの。製造責任やこだわりによって、時代を超えた一生ものの製品を生み出すことで、人は満たされ、地球環境への貢献にもつながるとしています。
消費者の選択によって、供給側の取り組み方も変わっていきます。その選択の積み重ねが地球を変えていく、そんな風に考えるとSDGsやサステナブルが私たちの暮らしの中でとても身近な存在であることが分かります。
日本の家には木がふんだんに使われています。それらの木がどこでどんな風に育ったのか、そんな風に考えることも、SDGsやサステナブルに貢献するきっかけになります。
こちらは高級材「ウエスタン・レッド・シーダー」の、カナダでの伐採の様子です。現地では古くから「生命の木」として大切にされていて、日本でも美しく香り高い木として、外装材やウッドデッキ材、サウナ材としても人気があります。
しかし昨今は温暖化などの影響もあり、入手が困難になってきています。そこで、先住民とプロジェクトを組みさまざまな取り組みが進められていますが、こういったことはウエスタン・レッド・シーダーに限ったことではありません。他の樹種でも同様のことが起きています。
フローリングや家具などに使われているたくさんの木材も、長い時間をかけて育った大切な資源です。そういったことに思いを寄せるだけでも、木を大切にする心が生まれ、地球環境を守ることにつながっていくことでしょう。
家具を選ぶ際にも、どんな材料を使ってどんな風に作られているのか、その背景を考えるのも必要な時代といえるでしょう。
こちらは以前より環境に配慮したものづくりに取り組んでいる家具メーカー、木製家具の聖地とも呼ばれる旭川に本社・工場を持つ「カンディハウス」の木製テーブルやチェア、キャビネットをコーディネートしたインテリアです。
カンディハウスは、自然と調和したものづくりを意識し、合法的に伐採された木材のみを使い、1本1本の木を端材まで使い切る、輸入材に代わり地元北海道産材を積極的に使うことで輸送エネルギーを削減する、そして永続的な家具づくりに向けて植樹をするなどの活動を行っています。
SDGsやサステナブルは、身近な暮らしの中にあるものです。インテリアを通して幸せな未来を作る、少し意識を向けるだけでも、この先の未来は変わっていくことでしょう。
※掲載の情報は、2024年9月現在の情報です。