暮らしのTIPS秋の色を楽しむ そろそろ冬インテリアへ衣替えOctober 10, 2023

秋が深まり寒い冬がやってきます。洋服の衣替えをするようにインテリアも少しだけ模様替えをして、季節感のある暮らしを楽しんでみませんか?秋を感じるトレンドカラーや取り入れやすい小物、温もりを感じさせる北欧ブランケットなど、インテリアの冬支度のアイデアをご紹介します。

インテリアで四季を楽しむ

季節を感じるインテリアは、暮らしを豊かに彩ってくれます。

日本の暮らしは四季と共にあります。

夏は冷たい素麺やスイカを食べ、肌触りのいいタオルケットでお昼寝をしたり、夕涼みをしたり。冬は温かいお鍋を囲み、ゆっくりとお風呂に浸かって、ふわふわとした毛布に包まれて眠る。そんな季節を感じる暮らしはとても豊かです。

洋服も夏と冬とでは素材やデザインが変わります。インテリアも毎日肌に触れたり、目に触れたりするとても身近なもの。季節に合わせてインテリアも衣替えをすると、毎日の暮らしがもっと快適に、そして楽しくなります。

といっても大きな模様替えは必要ありません。秋から冬はぬくもりが恋しくなる季節ですから、小物で秋の色をプラスしたり、秋の夜長をふわふわとした北欧ブランケットにくるまって過ごしたり。

季節を感じるエッセンスをほんの少し加えるだけで空間全体のイメージが変わり、心からあたたかさを感じる幸せな時間を過ごせることでしょう。

季節の差し色をプラス

秋を感じさせてくれる色は、豊かな実りや季節の深まりを感じさせるもの。艶やかな素材感のあるものも雰囲気を盛り上げてくれます(野村不動産分譲済みモデルルーム)

四季を感じさせる色を、「差し色」としてインテリアに取り入れると、手軽に季節感のある部屋づくりができます。差し色とはワンポイントとなるアクセントカラーのこと。空間に強い印象を生み出します。

日本の住宅の床や壁の色は、白を中心として、ベージュやグレー、木目などベーシックな色が中心です。そこに秋を感じさせる華やかな色を差し色にすれば、部屋全体が秋の雰囲気に。

秋を感じさせる色は、豊かな実りや季節の深まりを感じさせるオレンジ、ボルドー、ゴールドなど。素材感はシルクなど艶やかで光沢のあるものを選ぶと豪華な印象になります。

秋が深まり冬になると、温もりや落ち着きを感じさせるブラウンや濃紺、アイボリーなど暖色系の白が心を落ち着けてくれます。素材感はふんわりと柔らかいものを選んで、肌でぬくもりを感じましょう。

赤色×緑色の組み合わせを見るとクリスマスを思うように、色がもたらす効果は想像以上に大きいものです。クッションカバーやランチョンマット、足元のラグなどのファブリックを着替えるだけならとても簡単。シーズンオフの収納も場所を取らず、手軽に暮らしの中に季節を感じることができるようになります。

秋を感じるトレンドカラー

2023年カラー・オブ・ザ・イヤーはRaspberry Blush。秋の差し色としてもぴったりです(写真提供:ベンジャミン・ムーア

秋の色を感じるトレンドカラーをインテリアに取り入れれば、いつもの生活空間がアップデートします。こちらの壁の色はアメリカの塗料メーカー「ベンジャミン・ムーア」が選んだ2023年カラー・オブ・ザ・イヤーの「Raspberry Blush」です。

サンゴのような華やかさと深みのある色合いは秋の実りをイメージさせ、白やベージュ、ブラウン、黒、ゴールドとも相性がよく、空間に活気と喜びをもたらしてくれます。

アメリカでは塗装文化が根付いていて、その時の気分や季節に合わせてインテリアの塗り替えを楽しんでいます。この塗料は水性なのでDIYで扱いやすく、壁や小物、家具など様々なところにペイントが可能。

額縁やスツール、棚、アクセント壁などを塗り替えて季節の差し色にしたり、気分が変わったらまた別の色に塗り替えたり。トレンドカラーを気軽に楽しみつつ、季節感のあるインテリアが作れます。

アートのようなブランケット

日本発、KLIPPAN×mina perhonen。KLIPPAN初の国外デザイナー・皆川 明さん(ミナ ペルホネン)との協働により発表したブランケット「HOUSE IN THE FOREST」。高品質なブランケットは世界中で人気のアイテム(ネイビー W130×L180cmエコンフォートハウス

寒い季節が長い北欧の暮らしは、室内で快適に過ごすためのアイデアにあふれています。そんな北欧の冬に欠かせないのがウール製品です。

こちらはスウェーデンの老舗ブランド「KLIPPAN」と、日本の人気ブランド「ミナ ペルホネン」のコラボレーションによって生まれたウールのブランケット。

寒さを防ぐブランケットにアートのようなデザインを選べば、インテリア性を高めるアイテムとして存在感を発揮してくれます。

ジャガード織りでしっかりと織られたブランケットは厚みがあり、とても心地いい肌触り。大きなサイズはソファーカバーにもなり、寒い時は大人が2人でくるまるのも楽しいもの。温もりを感じさせる深い色合いは身も心もあたたかく包んでくれることでしょう。

色温度を意識した灯り

暖色系の光で照らされた空間は、壁も柔らかい色合いに。シーンに合わせて光色を変えることができるダウンライト(パナソニック

インテリアに季節感を出すためには、照明の色にもひと工夫を。そのために知っておきたいのが色温度です。

色温度とは光の色を数値で表したもので、単位はケルビン(K)です。この数値が大きくなるほど光の色は青み掛かった色になり、小さくなるとオレンジ色に近付きます。

普段の生活の中で快適な色温度の目安は、読書をするなら文字が見えやすい寒色系~フラットな白い光、色温度なら5000K~6500K程度。くつろぎの光はオレンジ掛かった暖色系の光、色温度は2500K~3500K程度です。

暖色系とは人が暖かみを感じる色味のこと。寒い冬は色温度を低めに2700K程度の暖色系の光で照らすとあたたかい雰囲気の空間になります。

LED照明の中には、明るさの調節ができる調光機能に加えて、光の色を変えることができる調色機能を持つものも増えています。

四季のうつろいが感じられるインテリア空間なら心豊かに過ごすことができます。小物や照明の工夫でこれから迎える寒い冬を暖かくお過ごしください。

※掲載の情報は、2023年10月現在の情報です。

一級建築士事務所 OfficeYuu代表Yuu(尾間紫)Yuu(Yukari Oma)
一級建築士、 インテリアコーディネーターとして数多くの現場経験や相談実績をもち、住宅リフォームコンサルタントとして快適な住まいづくりのノウハウを発信している。