梅雨時に気になるのがカビ。水まわりだけでなく、家の中の意外な場所で繁殖していることがあります。またカビは黒色とは限らず、気付かないまま放置をしていることも。今回は、見逃しがちな家のカビを防ぐポイントをご紹介します。
カビは食品や水まわりだけでなく、家の中の様々な場所で見られます。時にはカビと気づかないまま放置されていることも。
カビはダニの餌になり、アレルギーの原因にもなるやっかいなもの。特に梅雨時はカビが繁殖しやすいので注意が必要です。見逃がしがちな家のカビ10か所をご紹介しましょう。
<水まわり以外で見逃がしがちな家のカビ10か所>
カビが生えやすいのは、カビの生育に適した「温度」「湿気」「栄養」の3つがそろった場所。梅雨時は高温多湿の状態にあるので、カビが繁殖しやすくなります。まずはわが家を改めて見直し、カビの状況を確認してみましょう。
1.窓枠、2.カーテンに黒い汚れがついていたら要注意です。サッシのゴムやレースのカーテンの黒ずみは汚れではなく、黒カビの可能性が大。
結露でいつもしっとりと濡れた窓のレールやレースのカーテンはカビが繁殖するのにぴったりの環境です。カーテンの場合は洗っても完全に落とすのは難しく、素材が傷んでしまうこともあります。
3.壁紙のつなぎ目が黒くなっていたら、これもカビの可能性があります。特に北側の部屋の外壁に面した壁面でよく見られ、リフォーム時に壁紙を剥がしてみたら裏が黒カビで真っ黒になっていたケースもありました。
これも結露が原因です。加えて壁紙の糊が栄養源になりカビが生えやすい環境に。結露が発生する場所には必ずといっていいほどカビが見られます。
4.部屋の隅、5.タンスやソファなどの家具の裏など、通気性が悪く掃除がしにくい場所にも注意が必要です。
特に壁にぴったりつけて置いている家具の裏側は、湿気や汚れが溜まりやすく、その汚れを栄養源としてカビが繁殖しやすくなります。また木材や皮革そのものもカビの栄養源になることがあります。
6.ベッドまわり、7.クローゼットや押入れなどの収納内部も改めて確認を。空気が淀みやすく、人の汗や皮脂などカビの栄養源となるものがたくさんある場所です。マットレスを裏返したらカビが生えていた、ベッドの形にそって壁に黒カビが生えていたケースも。
8.畳やカーペットの裏も汚れや湿気が溜まりやすい場所。一度裏返して確認をしましょう。
9.網戸にも要注意です。メッシュ状のものは汚れが付着しやすいため栄養たっぷり。カビが生えやすい環境にあります。黒い汚れが詰まっていたと思っていたら、カビが生えていたケースも。
同様に10.エアコンのフィルターにも注意が必要です。
カビというと緑色や黒色を思い浮かべる方が多いと思いますが、白色のカビもあります。白カビは食品の他に、衣類、皮革、木材などでよく見られます。
家の中でこの白カビがよく見られるのが、クローゼットや押入れ、そして和室です。冠婚葬祭用のドレスやスーツ、着物、押入れの中の客用布団に、いつの間にか白い粉のような汚れがついていたら、それはホコリではなく白カビの可能性が大。
また和室の柱や畳の白い粉汚れも白カビの可能性があります。使っていない和室を締め切っておくと湿気がたまり、イグサや木などの天然素材や、皮脂、ホコリなどを栄養源にしてカビが繁殖しやすくなります。
白カビは黒カビに比べると落としやすいのですが、アレルギーの原因になることがあるので注意が必要です。
家のカビを防ぐには、カビが繁殖する3つの条件、「温度」「湿度」「栄養」を揃えないこと。中でも注意をしたいのが湿度コントロールです。
カビは湿度70%を超えると一気に繁殖をします。しかし東京の2022年6月の平均湿度は77%。そのままではカビが繁殖しやすいので、エアコンのドライ機能や除湿器で室内の湿度を50%~60%前後に保つようにするといいでしょう。
また料理をする際には必ず換気扇を回して余分な水蒸気は素早く排出する、梅雨時は洗濯物の部屋干しは避ける、お風呂やトイレのふたは閉めておくなど、必要以上に湿度を上げないよう注意をしましょう。
窓まわりのカビを防ぐためには結露対策が必要です。効果的なのは窓の断熱性能向上リフォームです。今ある窓の内側にもう1セット樹脂製の窓を取り付ける「内窓」リフォームをすると、結露を防ぎつつ室内は快適に。
また家の中に湿気が集中する空気溜まりを作らないよう、収納の扉を開けたり、家具を壁から離したり。カビの栄養源を全て無くすことは難しいことですが、カビが生えやすい場所を重点的に掃除するだけでも、カビを防ぎやすくなります。
もしカビが生えてしまったら消毒用エタノールやカビ取り剤を使って落としましょう。こすると胞子が飛び散りますので、ていねいにふき取りを。衣類はクリーニングが原則です。
ただし薬剤の種類によっては対象物を変色、変質させてしまう可能性があります。取扱説明書をよく読み、目立たない場所で試してから使いましょう。
また中には混ぜると有毒ガスを発生するなど危険なものもあります。使用中は必ず窓を開けてゴム手袋を着用するなど、取り扱いには十分に注意をして行いましょう。
梅雨時に住まいのカビを繁殖させないよう、暮らしと家の工夫で更に快適にお過ごしくださいね。
※掲載の情報は、2023年6月現在の情報です。