暮らしのTIPS気になるみんなの貯金額!
貯蓄に回す割合は?
January 24,2023

「自分の貯金は多いのか、少ないのか……」
「みんな、どれくらい貯金しているの?」

そんな“お財布事情”が気になる方は多いでしょう。将来のための貯蓄を考えるとき、収入からどれくらいの割合で貯蓄に回すのかも気になるところです。

本コラムでは、貯蓄に関する役立つデータをご紹介します。

40代は60代の半分以下!【年代別平均貯蓄額】

金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和3年)」によると、20代以上の総世帯を対象にした貯蓄額の平均値は以下のとおりです。

年代 平均値
(全体)
平均値
(定期預金のみ)
20代 149万円 37万円
30代 540万円 146万円
40代 530万円 216万円
50代 760万円 387万円
60代 1,181万円 640万円
70代以上 1,094万円 676万円
全体平均 808万円 414万円

出典:金融広報中央委員会

<貯金額の平均値>

  • 全体平均:808万円
  • 60代以上の世帯では1,000万円超
  • 最も低い世代は20代の149万円
  • 60代と20代の差額は1,032万円

<貯蓄額のうち定期預金の平均値>

  • 全体平均:414万円で預金の約半分を占める
  • 20代、30代の若い世代では定期預金の割合が低い

以上のことから、若年層のお財布事情の厳しさが垣間見えます。

単身世帯と二人以上の世帯での比較

次に、単身世帯と二人以上の世帯の貯蓄額の平均の比較表は下記のとおりとなりました。

年代 単身世帯 二人以上の世帯
20代 143万円 166万円
30代 638万円 498万円
40代 474万円 547万円
50代 763万円 759万円
60代 1,018万円 1,239万円
70代以上 906万円 1,180万円
全体平均 671万円 867万円

出典:金融広報中央委員会

<単身世帯と二人以上の世帯の平均貯蓄額>

  • 総世帯に比べると単身世帯は全体平均が低い
  • 総世帯に比べると二人以上の世帯は全体平均が高い
  • 30代と50代は二人以上の世帯よりも単身世帯が上回っている

単身世帯よりも二人以上の世帯の平均貯蓄額が多い傾向にあります。ところが、結婚前の独身貴族を楽しむ方が多いのか、30代では単身世帯が上回っています。

いくら貯蓄に回す?収入の10〜15%が最多という結果に

どのくらいの貯蓄があるのかがわかったところで、次は「いくら貯蓄に回しているのか」です。
例えば、年収の10%を貯蓄に回すケースでは、年収800万円であれば年間80万円の貯蓄ができます。収入から貯蓄に回す割合について、単身世帯と二人以上の世帯に分けて下記の表にまとめました。

貯蓄に回す割合 単身世帯 二人以上の世帯
5%未満 5.5% 6.5%
5%〜10%未満 9.8% 13.5%
10%〜15%未満 14.0% 19.3%
15%〜20%未満 3.1% 4.5%
20%〜25%未満 8.4% 9.9%
25%〜30%未満 1.6% 1.3%
30%〜35%未満 5.9% 5.5%
35%以上 13.6% 7.0%
貯金をしていない 38.1% 32.7%

出典:金融広報中央委員会

<貯蓄に回す割合について>

  • 最も割合が大きいのは全体収入の10%〜15%未満
  • 25%未満は二人以上の世帯が単身世帯を上回る
  • 25%超は単身世帯が二人以上の世帯を上回る

単身世帯では、35%以上の貯蓄をしている世帯の割合が10%〜15%未満の世帯に次いで高いことも特徴です。

金融商品を含めると資産の全体平均額は1,901万円!

預貯金だけでなく、株式・債券・投資信託などの金融商品を含めた資産の平均についてもまとめました。

年代 平均値
(資産全体)
平均値
(預貯金のみ)
20代 313万円 149万円
30代 980万円 540万円
40代 1,248万円 530万円
50代 1,792万円 760万円
60代 2,918万円 1,181万円
70代以上 2,619万円 1,094万円
全体平均 1,901万円 808万円

出典:金融広報中央委員会

<金融資産を含めた資産の平均額>

  • 預貯金のみの集計では40代よりも30代のほうが貯蓄額は大きい
  • 金融資産全体で集計すると40代と30代が逆転

どの世代も、貯蓄以外に金融資産を多く保有していることが分かります。

現状を知って資産形成に役立てよう!

2022年4月から高等学校の家庭科(一部は公民)で金融教育が始まったことをきっかけに20代以上の方もお金や資産運用について真剣に考え学びたいところです。貯蓄額などの現状を把握して、今後の資産形成の参考にしましょう。

将来に漠然とした不安があり、資産形成を始めたいと考えても金融に対する知識がなく、なにから始めればいいのか分からないという方はFPなどの専門家に相談することもおすすめします。

※掲載の情報は、2023年1月時点の情報です。

大谷 惇途Makoto Otani
慶應義塾大学卒業。投資・ローン・税金などの金融分野を中心に5年以上の記事執筆経験がある金融ライター、現在はフリーランスで活動中。学生時代から株式投資を中心にさまざまな投資を行う。3級ファイナンシャル・プランニング技能士。