LIVING TIPSプロに学ぶMyインテリア「おもてなしのテーブルコーディネート」
後編
November 30, 2022

前篇ではおもてなしテーブルコーディネートの考え方をお伺いさせていただきました。その際にファブリックで印象ががらっと変わる、というお話がありましたので今回はファブリックについてより詳しくお話をお伺いしました。

大橋 : ランチョンマットを使うとお手入れが大変かも、とお考えの方もたくさんいらっしゃるかもしれませんが最近では汚れが取れやすい加工が施された商品も出ています。
私がよく使っているALEXANDRE TURPAULTというフランスのメーカーのテーブルリネンはテフロン加工により100%麻素材に汚れ落ちを促す効果があるそうです。
このような加工が施されているものを使えば日常のテーブルコーディネートにも気軽にファブリックを取り入れられますね。

ー こぼしてしまったものが中まで染み込みにくい、ということでしょうか。

大橋 : 汚れが表面ではじかれる加工がされていてお洗濯の際に乾きが早い、というメリットもあります。加工はされていますが、手触りや風合いは麻そのもののままですので非常に使いやすいものだと思います。
使いやすい色が揃っていますのでお好きな色から揃えていくといいのではないかと思います。 真っ白なものはやはり汚れが気になってしまうと思いますので。

ー 確かに真っ白は勇気がいりますね。いわゆる入門編のような感覚で一番最初に揃えるならこういったものがおすすめというようなものはありますか。

大橋 : 色はナチュラルなベージュがおすすめです。あとは同系色で素材が違うものを揃えていくと使いやすいと思います。

ー 素材違い、ですか。テーブルリネン、特にランチョンマットといわれるとファブリックのものしか思い浮かばないのですが。

大橋 : リネンだけではなく、籐のものやビニール織地のものなんかもありますよ。Chilewichというメーカーのプレースマットは汚れても水拭すればきれいになりますので取り入れていただきやすいと思います。

ー ビニール織地ですか。

大橋 : ビニールといっても想像されているものとは違うとおもいますよ(笑)。
1本の糸に複数の色(バイカラー)を計算して配色しているため、様々な色の糸が浮いているように見えるジャガード織になっていてとても素敵ですよ。インテリアショップなんかで気軽に購入できるのでおすすめです。

ー 色々と種類があるんですね。実は私もランチョンマット持っていますがしまいこまれています。もうしばらく見ていないような(笑)。

大橋 : せっかく持っているのにしまいこんでしまうなんてもったいないですよ。

ー つい使ったら洗濯してアイロンかけて。と考えてしまい出すのをためらってしまうので。

大橋 : 最初は先ほどご紹介したChilewichでランチョンマットを使う楽しみを知っていただいて、その次にこういう雰囲気にしたいから別のものを買ってみようかな、という形でステップアップしていくのもいいのかもしれませんね。ビニール織地のものを使うとモダンな印象になりますので、ナチュラルで柔らかい雰囲気を演出するのでしたらファブリックのものがいいと思います。

ー やはり素材で印象はガラッと変わるものなんですね。その分生活に取り入れられればすごく世界が広がる、というか気持ちが豊かになりそうですね。そういえばランチョンマットとかにも季節感みたいなものはあるのでしょうか。

大橋 :  季節感というよりは素材の質感によるところが大きいと思います。透け感のある素材だと爽やかな印象になりますし、同じ色のものでも厚手の素材のものだと温かみが出ます。やはり透け感があるもののほうが涼しげに見えますので夏のコーディネートには使いやすいとは思います。

ー たしかに夏になるとガラスの器がたくさん出てくるのでつい買ってしまうんですが、ランチョンマットも少し透け感のあるものを一緒に購入したりすると楽しくなりそうです。
大橋さんのコーディネートを拝見しているとナプキンリングもすごく素敵なものを選ばれていらっしゃいますがこちらはどういう基準で選ぶものなんでしょうか。

大橋 :  ナプキンリングはファッションに例えるとアクセサリーのような役割のものと考えると分かりやすいと思います。遊び心としてペンダントやピアスをコーディネートするように選んでみると楽しいですよ。プラスチック素材やレザーなどマテリアルの種類が多いのでどういうイメージに仕上げたいかで選んでいただくのが良いと思います。

ー 例えば柔らかい、やさしい印象に仕上げたい場合にはどういったものを選ぶとよいのでしょうか

大橋 :  こちらの写真のものは実はナプキンリングではなく、キータッセルなんです。本来の用途ではありませんがすごくエレガントに仕上がるのではないかなと思っています。最近は百貨店でもダイニングのコーナーに置いてあるところもありますのでぜひ色々と見てみてください。

ー こういう用途のものじゃないとだめ、という思い込みをなくしてみると楽しみがまた広がるのかもしれませんね。

大橋 :  そうですね。ちょっとした工夫で今までの暮らしがワンランクアップできますし、おもてなしのテーブルコーディネートも楽しくなってきますね。お料理のイメージに合わせたり、お客様のイメージに合わせたり。また次こういう風にしてみようかな、と思って取り入れていただけたら嬉しいです。

エンネデザイン株式会社 代表取締役 インテリアデザイナー大橋 規子Noriko Ohashi
主に分譲マンション専有部のモデルルームデザイン、カラースキーム、仕上仕様デザインを中心にインテリアコンセプト、インテリアプランからディスプレイコーディネートまでトータルに住空間をデザインしています。